あなたは自分の商品の良さを分かってもらえさえすれば売れると思っていませんか?
残念、それは誤りです。
なぜなら、見込み客はあなたのこともあなたの商品も信用していないからです。
見込み客に疑いをもたれてしまえば、普通商品は売れません。
そのため、あなたやあなたの商品を信頼してもらうことが、売るためには重要です。
その信頼性を大きくアップさせるのが「お客様の声」です。
今回はそのお客様の声の効果と使い方について話をしていきます。
1.人は統計データよりも誰かの体験を信じる
遙か昔、コンピュータや印刷技術のない時代、
危険を学習する手段は、自分で体験するか、信頼できる仲間から教わるかの
二つでした。
人生において自分で経験できることなんてそれほど多くはありませんので、
誰かの体験から学ぶというのは、
人間がより良く生きていくためにとても重要なことでした。
情報に溢れた現代社会でもそれは変わりません。
近所のレストランが食べログで星の平均が4.1という高評価であっても、
仲の良い友達から「あのレストランは最悪だった」と聞けば、
多くの人はその友達の話の方を信じることでしょう。
クリストファー・チャブリスとダニエル・シモンズの著書
『錯覚の科学』で興味深い一節があったので紹介します。
私たちは反射的に一つの例を一般化し、
すべてに当てはめようとする。
そしてそのように推理したものの記憶は長く残る。
個人的な体験は私たちの心に残るが、経験値や平均値は心に残らない。
私たちの祖先は膨大なデータや統計や実験は知らなかった。
というわけで、やむなく具体例で学んだ。
状況の異なる大勢の人たちから集めたデータで学ぶのではなく。
何となく分かると思いますが、
統計データから導き出す答えって、
説得力がある気がしますが記憶に残らないんですよね。
それよりも自分と同じ境遇の人の成功体験の方が
強烈に心に残ります。
だからこそ、問題の解決や成功体験を「お客様の声」として
形にすることがセールスの成功率を大きく上げるカギになるのです。
2.「お客様の声」にウソやねつ造を載せてはならない
お客様の声を載せることは、
商品の信頼性を上げ、商品の販売に大きく影響します。
同じ問題を抱えている人にとっては、
お客様の声は将来の自分の姿であり
問題解決の疑似体験をするものだからです。
しかし残念なことがあります。
それは、
ウソやねつ造したお客様の声であっても大きな影響力をもってしまうことです。
「豊川信用金庫事件」なんかは良い例かもしれません。
豊川信用金庫事件とは、昭和48年に起こった騒動で、
女子高生の何気ない会話から豊川信用金庫が倒産するというデマが発生し、
パニックになった7,000人が詰めかけ、数日で26億円が引き出された
という事件です。
当然豊川信用金庫に経営危機の実体はなく、
倒産はデマが広がっただけのものでした。
豊川信用金庫は事態収拾のために声明を発表しましたが混乱は収まらず、
大蔵省の東海財務局長と日本銀行名古屋支店長が連名で
豊川信用金庫の経営保障をするという発表まで行い、
ようやく自体は沈静化に向かいました。
たとえ間違った情報であっても、
身近な人の話であれば信用してしまうということです。
ここまで大きな影響はありませんが、
ウソやねつ造したお客様の声にもそれなりの影響力があるのです。
当然ですがウソやねつ造でお客様の声を載せてはいけません。
倫理的な問題ももちろんありますが、
ウソがばれるとより大きな損失が発生します。
”あの会社は嘘つきだ”
と思われたら、その後信頼を取り戻すのは容易ではありません。
お客様の声は、真実だけを載せるようにしてください。
3.どんな「お客さまの声」が効果的か?
お客さまの声ならどんな内容でも良いかというと、
そうでもありません。
「良かったです」「ありがとうございました」
というような簡潔なものでもないよりはましですが、
もっと具体的なコメントをもらうようにしましょう。
しかし、単純に感想をくださいなんて言っても、
多くの人は簡潔なことしか言ってくれません。
そのため、質問形式でアンケートを送るのが効果的です。
私の場合、次の6つの質問をしています。
①商品を購入する前、どんなことで悩んでいましたか?
②何がきっかけで当社の商品を知りましたか?
③すぐに商品を買いましたか?買わなかったとしたらなぜですか?
④何が決め手となって商品を買いましたか?
⑤実際に買ってみてどうでしたか?
⑥その他コメントがありましたらお願いします。
この質問の良いところは、
お客さんが具体的な回答をしてくれることと、
回答文をつなぎ合わせればお客さんの悩みから問題解決までの流れを
連動して紹介できることです。
それに加えて、お客さんのストーリーなんかを伝えるとより効果的です。
私の本業は障害年金の代行をする社会保険労務士ですが、
次のようにお客さまの声を活用しています。
↓
http://spartners.jp/blog/okyakusama_jirei
正直言って、この方法はかなり効果的です。
そのため、複数の競合にマネされてしまいました。
まぁ、二番煎じは決して一番にはなれないのでいいんですが。
もしあなたの業界で同じことをしている人がいなければ、
是非試してみてください。
4.まとめ
人間は統計データよりも体験を重視します。
そのことから、「お客さまの声」を載せることで
成約率を大きく高めることができます。
お客さまの声をとるときは、
アンケート形式にすると具体的な答えをもらえ、
説得力のあるお客さまの声になります。
「お客さまの声」はどんな業種・業界でも有効ですので、
必ず取り入れるようにしましょう。
お金を儲けて仕事にやりがいを!人生に生きがいを!
記:宮里竹識(みやざとたけし)