起業の成功例②:小売りの酒屋の場合

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この記事では、起業して成功したビジネス・儲かっているビジネスについて
具体的な成功例を紹介しています。

今回は、ある小売りの酒屋の事例です。

お酒は、コンビニやスーパー、お酒のディスカウントショップなど、様々な所で手に入れることができます。

これらの各種競合や商品の仕入れコストなどを考えると、
個人で経営しているお酒の小売りは儲からないと思いがちです。

しかし、ある方法で安定した利益をあげている酒屋さんがありました。


1.はじめは普通の酒屋でした


この酒屋さんは、どこにでもある個人経営のお酒の小売店です。

ビールをや日本酒をはじめとしたアルコール類を
店舗で販売しています。

店主は日本酒のソムリエともいわれる「唎酒師」の資格を有していて、
日本酒に対する知識・目利きは本物です。

【補足:唎酒師とは】
唎酒師は、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が認定、
NPO法人FBO(FBO)が公認する呼称資格です。
唎酒師の認定を受けるためには、講習会を受講後、試験を受け、
SSIが定める基準に達した方のみがその認定を受けることができます。
唎酒師はたんに日本酒のことを知っている、味で名前を当てられる
というような人では無く、その日本酒に適した美味しい飲み方、
あるいは、いかに料理を美味しく食べてもらうか、さらにはそれらの楽しさも
含めて、真の日本酒の魅力を消費者にお伝えする役割を担っています。

お店も日本酒が豊富にあり、
「今晩○○食べるんだけど、それに合うお酒ない?」
「こんな人にお酒を贈りたいんだけど?」
「お酒が苦手な人にも飲んでもらえる酒ってある?」
こんなことを聞いても、店主は適切に答えてくれます。

お店での商品やサービスには自信があるのですが、
今時アルコール類はコンビニをはじめどこでも手に入ることもあり、
店舗での売上は思わしくありませんでした。

そこで店主はインターネットでの通信販売を
手がけることにしました。

WEBのシステム会社に依頼してインターネットで日本酒を注文できる
サイトを作ってもらいました。

このサイトは写真や日本酒に関する説明も豊富にあり、
注文も簡単で、立派なサイトだと思えます。

この日本酒の通販により、ある程度は売上がアップしました。

しかし、売上が上がる月もありましたが、
そう変わらない月もあり、安定しませんでした。

ビジネスがうまくいっているとまでは到底いえず、
店主は不安を抱えたまま毎日を過ごしていました。

店主は自分の酒屋どうすればよいのか分からなくなりましたが、
初診にかえり、今いるお客さんに意見を聞いてみることにしました。

”なぜうちの酒屋でお酒を買ってくれるのか”
”実際に買ってみてどうだったか”
”また買いたいと思うか”

といったことをお客さんに聞いて回りました。

その結果、店主の唎酒師としてのアドバイスに感銘を受けた、
店主の勧める日本酒は本当に美味しいからここでお酒を買っている
という常連さんが多かったのです。

”日本酒のソムリエである唎酒師の店主が勧める酒は本物だ”

このコンセプトから、
店主がお勧めする日本酒が毎月届くサービスを思いついたのです。

 

2.日本酒の定期お届け型継続課金ビジネス


日本酒は全国各地で造られていて、様々な種類があります。

この無数にある日本酒の中から、毎月三合瓶の日本酒3本を店主が選び、
自宅に届けるというサービスを始めることにしました。

【日本酒の定期お届けサービスで工夫したこと】
①日本酒を送るときにはお酒の説明や飲み方、
 お勧めする理由など書いた手紙を同封するようにしました。

②3本セットでの販売ですが、2本分の値段で販売しました。
 33%の割引と、大きな割引とお客さんの目からは見えますが、
 実際には商品価格の33%引きではなく、原価の33%引きですので
 たいした痛手ではありません。
 継続して商品を買ってくれることの利益の方が大きくなりました。

③最初の一回目を試してもらいやすくするため、
 初回は500円と格安で商品を提供しました。
 初回のみでキャンセルする人もいましたが、
 継続してくれる人の方が多く結果的に売上アップにつながりました。

④お客さんの誕生月には、メッセージカードと日本酒をもう一本
 追加して送りました。
 このサプライズによりお客さんは大変よろこび、
 継続率が上がりました。

⑤お客さんからサービス中止の連絡があった場合、
 「来月分を無料にするのでもう一ヶ月試して下さい。
  それでも止めたいのであれば再度連絡いただければ中止します」
 といってサービス継続に取り組みました。
 その結果、約半数が再度定期お届けサービスを継続してくれました。

【どうやって日本酒の定期お届けサービスを売り込んだのか?】
まずは実際に店舗に来てくれる常連さんに売ったところ、
とても好評でした。

その後、ホームページでも販売しました。

また、店主は数年前から趣味で日本酒に関するブログを書いており、
そのブログには全国の酒好きが集まっていました。

そこで、ブログで日本酒の定期お届けサービスを紹介したところ、
多くの申込みがありました。

また、珍しいサービスだったことからマスコミにも取り上げられ、
更に多くの申込みを受けることになりました。

今では、毎月一定額の売上が確保されているため事業が安定し、
店主も売上に関する不安から解消され、
楽しく酒屋経営を行えるようになりました。

 

3.儲かるビジネスの条件を満たしているか


ビジネスで起業して成功するための三つの条件に関する記事を
以前書きました。

<関連記事>
起業して成功するビジネス選びの3条件

この酒屋が三つの条件に当てはまっているか
見ていきたいと思います。

【条件①:お客さんは情熱をもっているか?】
酒飲みは仕事が終わると毎日のようにお酒を飲んでいます。
日本酒という種類が豊富で奥深いテーマに対しての
情熱をもったお客さんは店主のブログを中心にたくさん集まってきました。

【条件②:お客さんはお金を支払ってくれるか?】
お客さんにとってお酒は日常的に欲しているものです。
たとえこの酒屋から買わなくとも別のお店でお酒を購入しています。

つまり、良いお酒をお手頃価格で提供している以上、
お金を支払ってもらうことはさほど大変ではありませんでした。

【条件③:お客さんは繰り返し買ってくれるか?】
これは、日本酒を定期お届け型で継続課金ビジネスとすることで、
自動的に繰り返し買ってくれる仕組みとなっているので
何ら問題ありません。

一回目を試してもらうためにお試し価格を導入したり、
誕生月のサプライズ、キャンセルが出たときの一ヶ月無料などを
組み合わせることで、継続率は高くなっています。

また、定期お届けサービスで届いたお酒で気に入ったものがあれば、
その酒を繰り返し買ってくれることもあります。

 

4.まとめ


ただの酒屋が、日本酒のソムリエという立場から
定期お届け型の継続課金ビジネスを導入することで
安定したビジネスとなりました。

多種多様な嗜好品・消耗品の販売をビジネスとしている人は
今回の起業成功事例は参考になると思います。

もちろん、まったく関係ないと思われるビジネスであっても、
参考にできるネタはたくさんあったと思います。

この記事があなたのビジネスを成長させるきっかけになれば幸いです。



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記:宮里竹識(みやざとたけし)



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