世界的に有名な宝飾品及び銀製品のブランド、
ティファニー。
日本でもかなり人気のあるブランドの一つです。
このティファニーですが、
とても大胆なマーケティングをはじめましたので
それについて紹介したいと思います。
1.驚愕の「おねだりする」ボタン!
ティファニーの商品はオンラインでも買うことができます。
インターネットが普及した現代社会では、
これは普通のことですよね。
しかしティファニーのオンラインショップは
ひと味違いました。
こちらがティファニーのオンラインショップの
商品紹介画面です。
商品の写真や「ショッピングバッグに入れる」といった購入ボタン、
よくある商品購入ページです。
しかし、ちょっとおかしな文言があるのです。
それが「おねだりする」というボタン。
何でしょう、これ。
これはもしや、
この商品を誰かにおねだりできるというものでしょうか。
さっそくおねだりしてみることにしました。
「おねだりする」ボタンを押すと、
こんな画面に進みます。
どうやら、
おねだりする相手と自分の名前、メールアドレスを
入力するようです。
気軽におねだりできる相手のいない私は、
自分宛におねだりすることにしました。
たろうとはなこという分かりやすい偽名を使って入力し、
送信ボタンを押します。
なんということでしょう。
入力したメールアドレスにティファニーからメールが届きました。
2.ティファニーの「おねだり」マーケティングの内側
ティファニーが行った
”おねだり”というアプローチ、
とても面白いですね。
自分用に買う、
あるいは贈りものとして買うというのは
なんら珍しいものではありません。
これを”おねだり”というかたちで
ほしい人が買ってほしい人にアプローチする手法が
斬新です。
意中の相手に何とか振り向いてほしいという状況なら、
おねだりされたら買ってしまう可能性は高いと思います。
それに、
ティファニーから届いたメールを見ると
次のようなメッセージになっていて
決して相手からおねだりされたことを匂わす文章ではありません。
こちらは、●●さんが今年のクリスマスに贈られると、
とても嬉しいプレゼントのトップアイテムです。
ティファニーから、ちょっとしたクリスマスプレゼントの
ヒントをお届けしました。
今年のクリスマスは心躍るティファニーの完璧な
プレゼントを贈りませんか?
●●さんがほしいと思っているトップアイテムを、
こっそりお知らせします。
●●さんは、こちらをとてもお気に入りのようです。
そのことをあなたにお知らせしたくて、
ティファニーからちょっとしたプレゼントの
アイデアをお届け。
どれもティファニーからの提案というかたちを取っていますので、
メールの受け手の心情に配慮してますよね。
ついでに言うと、
上記3つのメッセージはおねだりする人がどのメッセージにするかを
選ぶことができるようになっています。
どんなメッセージを相手に送るかが事前に分かるので、
おねだりする方としても”おねだり”感が相手に露骨に伝わらないことがわかり、
安心できますよね。
「やりよるな、ティファニー」
と素直に思いました。
3.ティファニーの「おねだり」マーケティングは成功するか?
さて、ティファニーが行った「おねだり」マーケティング、
果たして成功するのでしょうか?
ネットの評判を見る限り、
あまり良い評価は受けていません。
「悲報」
「恐怖」
「えげつない」
といった言葉が飛び交っています。
おねだりされた側の心情を考えると、
否定的なコメントが多いのも理解できます。
しかし私は、
ティファニーの「おねだり」マーケティングは成功すると思っています。
その理由は二つあります。
【理由①:ティファニーの優良顧客の考え】
高級ブランドであるティファニー、
その優良顧客はどのような人でしょうか。
当然お金持ちです。
商品の値段なんか気にせず買うような人です。
高級品をおねだりされたくらいで気分を害することはないような人、
それがティファニーの売り上げを支える優良顧客です。
逆に、プレゼントの金額に右往左往する人、
”おねだり”という行為そのものに否定的な感情をもつような人は
ティファニーにとって有益な顧客ではありません。
どうせ買わない人からのバッシングに
いちいち反応する必要はないのです。
顧客になりえない人たちが反発しても何も痛くありませんし、
むしろティファニーの宣伝を無料でしてくれているともいえます。
そんなわけで、
ティファニーの優良顧客にとって”おねだり”というのはマイナスではなく、
顧客にならない人がバッシングというかたちで宣伝してくれていることを考えると、
この「おねだり」マーケティングは”あり”だと思います。
【理由②:事前にテストしているはず】
おねだりマーケティングが成功すると考えるもう一つの理由、
それは単純に、”事前にテストしてるだろう”ということです。
ティファニーほどの一流ブランドが
”おねだり”という手法が反発を招くかもしれないことを
事前に把握していないはずがありません。
”おねだり”に反発するのはどんな人か、
自社の優良顧客はどのように考えるか、
前もってテストしているはずです。
そのテストの結果行けると判断したからこそ
公式ページにおねだりボタンを設置したのではないでしょうか。
4.まとめ
ティファニーが行った
「おねだり」というアプローチで商品を売ることについて話をしました。
ネットの世界では否定的な意見が多いですが、
●ティファニーの優良顧客は”おねだり”に否定的でないと思われる
●事前にテストしているはず
という理由から、成功するのではというのが私の見解です。
ちなみに私がティファニーなら、
おねだりをした人に対してもセールスを行います。
内容はこんな感じでしょうか。
「●●さんからのプレゼントは喜んでいただけたでしょうか。
あなたが喜でくれれば●●さんも嬉しいと思いますが、
感謝の気持ちをかたちにしてみませんか?
こちらの商品を●●さんに贈ってみるのはいかがでしょうか?
メッセージカードをお送りしますので、
あなたの直筆のメッセージと一緒にプレゼントしてみては?
このサプライズが二人の幸せにつながることを願っています。」
こんな風にすれば最初におねだりされた方もプレゼントがもらえて嬉しいですし、
おねだりした人にも商品を売ることができます。
おねだりする方もされた方も、
ティファニーも喜ぶ良い方法だと思いますが、
あなたはどう思いますか?
もちろん、
あなたのビジネスでもこのティファニーの手法を応用できないか、
考えてみてくださいね。
お金を儲けて仕事にやりがいを!人生に生きがいを!
記:宮里竹識(みやざとたけし)