From:宮里竹識
研究学園のミスタードーナツより、、
2016年12月に、
ソフトバンクとミスタードーナツがコラボして
キャンペーンを行いました。
なんと、ソフトバンクユーザーは
ミスタードーナツのドーナツ250円分がタダ
というものでした。
このキャンペーンをマーケティングの観点から考えてみます。
1.キャンペーンの概要
このキャンペーンは、
ミスタードーナツで使える250円分の金券が
ソフトバンクユーザーにメールで配信されるというものです。
ソフトバンクユーザーであれば、
12月の金曜日に限りますが
ミスタードーナツへ行ってスマホを見せれば
250円分の商品が無料で手に入るというわけです。
250円というと、およそドーナツ2個分です。
2.実際にミスタードーナツに行ってみた
私は12月23日の金曜日に
近所のミスタードーナツに行ってみました。
おそろしいほどの行列です。
みんなスマホを片手にドーナツを買っています。
これだけ人が多いと
ドーナツを買うまでに30分は並ぶことになりそうでした。
「この30分で仕事をすればもっとお金が稼げるんだが・・・」
なんて思ったりもしたのですが、
ソフトバンクとミスドのマーケティングを体験するために並びました。
意外と行列はサクサク進み、
20分ほどで私の順番がきました。
トレーにドーナツを2個のせ、
レジでスマホの画面を見せると250円分が無料となりました。
今回私が買ったドーナツの合計が280円でしたので、
レジで支払ったのは30円だけです。
店内はかなり混雑していましたが
何とか席を見つけてドーナツを満喫しました。
3.ソフトバンクの狙い
今回のキャンペーン、
ソフトバンク側の狙いは何だったのでしょうか?
おそらくは、
”既存顧客の囲い込み”
だと思います。
さすがに250円の金券(ミスタードーナツ限定)で
新規客を呼び込むのは無理があります。
しかし既存客にとっては
「こんなキャンペーンがあるのは嬉しい」
となり、ドコモやauへ移行するのを防止する効果があります。
もちろんすべての人に効果があるわけではありませんが。。。
しかもソフトバンクとしては、
ユーザーにメールで金券を配るだけなので
ほとんど費用はかかりません。
しかも人は”無料”という言葉に弱いので、
今回のようなキャンペーンを行うと
SNSやブログなどで勝手に情報が拡散されます。
わざわざ大金をかけて広告をうたなくても良いのです。
今回のようなキャンペーンを行うことで、
ソフトバンクの評判は高まり顧客維持にもつながるのですから、
ソフトバンクとしては良いキャンペーンだったと思います。
4.ミスタードーナツの狙い
ミスタードーナツ側の狙いとしては、
やはり”新規客の獲得”でしょう。
「無料」という言葉はいつでも効果絶大ですからね。
実際、12月の毎週金曜日はミスタードーナツには多くの人が押し寄せ、
盛況さがうかがえました。
250円分がタダとしている以上キャンペーン期間中は赤字でしょうが、
すべてをミスタードーナツが負担するわけではなく、
ソフトバンクにもある程度費用負担を求めていることでしょう。
また、リピートしてもらうために優待券をレジで配っていました。
この優待券の内容を見てみると、
●ドーナツ1個プレゼント
●コーヒー半額
●ドーナツ10個まで20%オフ
というものでした。
もちろんこの優待券には期限があり、
2017年1月までと2月までの割引券となっていました。
無料で新規客を来店させ、
期間限定の割引券で再度来店を促し、
その後は定期的に通ってもらいたいという狙いがうかがえます。
一つ懸念点があるとすれば、
ミスドは頻繁に割り引きキャンペーンをやっているので、
”安いときにしか買いに行かない”
という気持ちを顧客に抱かせているという点ですね。
戦略無き安売りは自分の首を絞めることになります。
あと、せっかくお客さんが集まっているのだから、
レジでアップセルをすれば良いのに、
と思いました。
私は今回ドーナツ2個だけを買ったのですが、
「ドーナツだけだと喉が渇くかもしれませんので、
ご一緒にドリンクもいかがですか?」
と一言もらえれば追加でドリンクを注文していました。
この一言を付け加えるだけで売上をアップさせることができたはずです。
5.まとめ
ソフトバンクとミスタードーナツがコラボしたキャンペーンを、
マーケティングの観点から紹介しました。
キャンペーンの背景を考えるだけで色んなものが見えてきますね。
ただ、このような無料・割引キャンペーンを行うときは、
期限をつけることとキャンペーンを乱発しないことが重要です。
むやみやたらに割引していると、
キャンペーンをしたときにしかお客さんがこなくなってしまいますからね。
また、このような割引キャンペーンは一般大衆向けのものです。
お金持ちにとっては何の魅力も感じません。
250円のドーナツのために30分も行列に並ぶなんて
考えられないです。
私も今回はマーケティングを学ぶためにミスドに並びましたが
同じことは二度はできないです。
30分もあればそれなりに稼げますから。
あなたがすでにビジネスで成功しているなら、
私の考えに賛同してくれるはずです。
あなたがこれからお金持ちを目指すなら、
目の前の小さな割引よりも
より多くのお金を儲けるための行動に時間を使いましょう。
自分の時間を何に使うかで人生が変わります。
お金を儲けて仕事にやりがいを!人生に生きがいを!
記:宮里竹識(みやざとたけし)