From:宮里竹識
世田谷のプライベートオフィスより、、
私は本業の社会保険労務士としての仕事で
よく年金事務所に障害年金の手続きをしに行っています。
今日も年金事務所に行って、
待合室で本を読んでいたのですが
ちょっとした事件が起こりました。
すぐ近くの総合受付からこんな声が聞こえてきたのです。
俺は金を払っているんだ!
年金事務所の待合室では複数の人が
順番待ちのために椅子に座っていたのですが、
何事かとみんな声のした方向へ向きます。
そこには、
60代くらいの男性がいて、
受付の職員に向かって怒鳴り声をあげているではありませんか。
声がとても大きいので、
聞きたくなくてもこんな声が聞こえてきます。
俺は50年も年金を払ってきたんだぞ!
早くしろや!
何時何分になったら案内するんだ!
年金事務所の窓口はいつも混んでいるので、
予約なしで相談に来ると
1〜2時間は待たされるのが普通です。
それを知らずに窓口にきた人が
待ち時間の長さに驚き、
怒りをあらわにするなんてことがよくあるのです。
ちょっとだけ話がそれますが、
今回のクレーマーが言っていた
”何時何分になったら案内するんだ!”
というセリフが私のツボにはまってしまいました。
というのも、
子どもの頃口げんかで言った言わないの話になったときに、
「何時何分何秒に言ったんだ!?」
なんてセリフが流行ったのです。
子どもの頃の口げんかを思い出し、
年金もらう年の大人が子どもと同じセリフを言っているのを聞いて、
思わず笑いそうになってしまったのです。
それはさておき、
今回のクレーマーはしつこい人なようで
すぐには引き下がってくれず、
窓口の職員に対して10分以上罵声を浴びせ続けています。
待合室にいた私以外の人たちもみな一様に緊張した顔になり、
うつむいたり、目を瞑ったり、耳を塞いでいる人もいました。
でも、そんな周りの人の苦しみに気づくクレーマーではありません。
その後も口汚い言葉を発し続けていたのですが
やがて疲れたのか帰って行きました。
対応した年金事務所の職員もかなりまいってしまったようで
ぐったりした様子でした。
そんな様子を見かねて
周りの人はこんな言葉をかけていました。
「あんな人のこと気にしないで」
「変な人もいるけど良い人もいるよ」
私も帰り際に職員さんに
「いつもありがとうございます」
と声をかけて帰りました。
今回は年金事務所でのクレーマーの話でしたが、
ビジネスをしていれば嫌な客って
どうしてもやってきますよね?
個人的には、
大声で怒鳴る人や口汚い言葉を使う人に対しては、
警備員が羽交い締めにして追い出してほしいと思っています。
現実にはそんなことは難しいのですが・・・。
では嫌な客に対しても
頭を下げて屈辱を味わいながら
サービスを提供しなければならないのでしょうか?
私はそんなのは嫌です。
自分の人生を充実させ、
家族を幸せにしてお客さんにも価値を感じてもらう、
そのために仕事をしているのです。
関わって苦痛を感じる人のために
大事な私の人生を消耗する気はありません。
そんなわけで、
私は嫌な客とは一切付き合わないようにしています。
これにより心の平穏を手に入れました。
”でも自分のビジネスではそんなことはできない”
なんてことを
あなたは思っていませんか?
安心してください。
これからお伝えする方法を実践すれば、
嫌な客と関わることなく、
素敵なお客さんとだけ仕事できるようになります。
次の3つのステップをやるだけです。
ステップ①:関わらない客の定義を決める
まずは、
あなたのビジネスにとって
”関わらない客”の定義をしっかり決めましょう。
これを社内で共有しておかないと
大変なことになります。
関わらない客の定義が決まっていないと、
それぞれの社員が、
自分が嫌いな客を勝手に判断して行動しちゃいます。
すると、
あなたにとって嫌な客
+
社員Aにとって嫌な客
+
社員Bにとって嫌な客
+
社員Cにとって嫌な客
といった感じで果てしなくお客さんが少なくなってしまいます。
あなたのビジネスなのですから、
あなたにとって嫌な客だけを定義し、
それ以外の人はしっかりとお客さんにしておきましょう。
ちなみに私は、
次の3つの人を関わらない客と定義しています。
①値切り交渉をしてくる人
②態度の悪い人
③人の悪口が多い人
まずはこんな感じで、
あなたの嫌いな人・付き合いたくない人を
ピックアップしましょう。
ステップ②:こんな人は客じゃないというメッセージを繰り返し発信する
あなたのビジネスに関わらせない人を定義したら、
そんな人は来るなというメッセージを発信します。
簡単です。
ホームページに明記したり、
実店舗に張り紙を貼っておけば良いんです。
もしブログや動画、SNSをやっているのなら、
それらのメディアでも繰り返し伝えましょう。
するとどうなるか?
なんと嫌な客が自分から去って行ってくれるのです。
まぁ、
”あんたなんか来ないでください”
と言われれば普通は行きませんよね。
私もブログやメルマガ、
動画で繰り返し伝えています。
「値切り交渉する人・態度の悪い人・人の悪口ばかり言う人は客じゃありません」
もちろん反発されますが、
批判してくる人は客にしたくない人なんで
去って行ってもらいましょう。
ちなみに、
こんな人は客じゃないというメッセージを発信していると、
逆に良い人が集まってくる傾向にあります。
最初はその理由が分からなかったのですが、
お客さんに聞いたらその理由が明らかになりました。
それは、
お客さんからこんなことを言われたからです。
宮里さんはこんな人はこないでくださいと伝えていましたけど、
私も宮里さんが言うような人は嫌いなんです。
だから宮里さんとは気があうなと思って依頼しました。
共通の敵を作るというか、
敵の敵は味方と言えば良いのか、
嫌いなタイプが一致していると相性が良いということです。
そんな人が集まってくるので
良いお客さんばかりに囲まれるというわけです。
ステップ③:それでも嫌な客がきたら直接断る
基本的には付き合わない客を定義して
そんな人は来るなとメッセージを発信していれば
変な人はあなたから離れて行ってくれます。
それでもたまにですが、
嫌な客が来ることもあります。
こちらのメッセージを見ていない人でしょう。
関わりたくない人がやってきて仕事の依頼をしてきたとき、
どうすれば良いのでしょうか?
もちろん、
きっぱりと断るべきです。
一時の気の迷いで依頼を受けてしまうと、
後から疲弊してしまう可能性があるからです。
なので私は普通に依頼を断っています。
「あなたは私と相性が良くないので、うちには依頼しないほうがいいですよ」
こんな感じで伝えています。
状況に応じてもっと優しく言ったりもしますが。。。
さて、
嫌な客なんか切り捨ててしまえなんてことを言っていると
こんな反論が返ってくるかもしれません。
”業界のルールがあって、依頼を断ることができないんだ”
たしかにそんな業界もありますね。
分かりやすい例でいうと病院でしょうか。
正当な理由がない限り依頼を断ってはいけない
という業界はけっこうあります。
ちなみに私の所属している社労士業界もそうです。
正当な理由がなければ
お客さんからの依頼を断ってはいけないと定められています。
でも私は断ります。
依頼を断るための正当な理由なんて、
いくらでも作れるからです。
セールスライターの世界では、
「顧客は感情でものを買い、理屈でそれを正当化する」
という有名な言葉があります。
嫌な客を切り捨てる時も同じです。
嫌な客は感情で切り、理屈でそれを正当化すれば良いのです。
値切り交渉を受けた場合は、
契約条件で折り合いがつかなかったといえば
正当な理由になります。
態度の悪い人の場合、
信頼関係を築くのが困難で成果につながらないと判断した
と言えば良いでしょう。
後から理屈でいくらでも正当化できるのです。
安心して不良客を切り捨てましょう。
それでは今回の記事をまとめます。
私が年金事務所で遭遇したクレーマーから、
嫌な客は切り捨てるべきという話をしました。
続いて嫌な客に離れて行ってもらうための3ステップを紹介しました。
ステップ①:関わらない客の定義をつける
ステップ②:こんな人は来るなというメッセージを発信する
ステップ③:それでも不良客がやってきたらしっかり断る
嫌な人というのは世の中に一定数います。
そんな人から離れる、
近寄らせないようにするということは、
あなたのビジネスにとっても
あなたの社員にとっても大切なことではないでしょうか?
不適切な人から会社や社員を守ることも、
経営者であるあなたの役割です。
勇気を持って、
不適切な客を遠ざけてください。
お金を儲けて仕事にやりがいを!人生に生きがいを!
記:宮里竹識(みやざとたけし)