From:宮里竹識
千歳烏山のシャノアールより、、
本日は、
欧米の大手生理用品メーカーがやらかした、
ナプキンの大失敗について話をします。
この記事を読むことで、
ある程度マーケティングを学んで集客に自信がついてきた人が
頻繁に陥る間違いに気づくことができるでしょう。
1.商品・サービスのポジショニングを考えよ
大手生理用品メーカーがやらかしたという、
ナプキンの大失敗の話をする前に、
ポジショニングについてお伝えしたいと思います。
ポジショニングとは、
顧客の頭の中に自社商品について独自の立ち位置を築き、
ユニークな差別化イメージを植え付けるための活動を言います。
ちょっと分かりにくい表現でしたが、
要は”あなたの商品・サービスは特別だ!”と
顧客に思ってもらうことです。
今の世の中は様々な商品・サービスがあり、
類似品もそこら中に転がっています。
そのような状態で商品を売ったとしても、
顧客はあなたの商品と類似品を見ることになるため
どの商品を選べば良いのか分からなくなってしまうのです。
そのような場合、
分かりやすい判断基準である値段で選ばれてしまいます。
その結果、
価格競争に陥り、
資本力のある大手だけが生き残る
という状態に陥ってしまうのです。
このような価格競争で疲弊することを防ぐための方法として、
ポジショニングがあります。
うまいポジショニングが行えれば、
顧客はあなたの商品は他とは違うと感じるため、
あなたの商品が買われていくというわけです。
ポジショニングにはいくつかの方法がありますが、
その中の一つが「●●専門」という方法です。
今ある商品・サービスの範囲から一部を取り出し、
新しい区分を作って「●●専門」というのです。
例えば缶コーヒー業界です。
缶コーヒーというのは、
これまで似たり寄ったりの商品ばかりでした。
無糖か甘いコーヒーか、
ホットかアイスくらいしか違いはなかったんです。
違いを見せられなかった缶コーヒー業界、
タレントをCMに起用してイメージで売るくらいしかできていませんでした。
そんな時に登場したのが、
”朝専用コーヒー”
です。
これにより、
朝缶コーヒーを飲みたい人の前に朝専用コーヒーと普通のコーヒーが並ぶと、
多くの人が朝専用コーヒーを選ぶことになりました。
1日のうち朝しか売れないかもしれませんが、
朝の時間帯においては、
「朝専用コーヒーorそれ以外のコーヒー」
となったことで大きく売り上げを伸ばしたのです。
私はあまりコーヒーの味に詳しい方ではないので
朝専用のコーヒーの味は他のコーヒーとどう違うのか分かりません。
でも、そんなことはどうでもいいのです。
大事なのは、
「朝専用」と名乗ってユニークなポジションを築いたことなんです。
このように、
うまくポジショニングを行えば
それだけで商品・サービスが売れることが多々あるのです。
2.大手生理用品メーカーの大失敗
ここでようやく、
欧米の大手生理用品メーカーが行なった
ナプキンの大失敗について話します。
ポジショニング戦略の有用性は先ほども話した通りですが、
大手生理用品メーカーも自社の利益を確保するため
ポジショニングに動きました。
対象とした商品は生理用品のナプキンです。
●●専用というポジショニングが効果ありというのは分かっていましたので、
様々なナプキンを開発しました。
・ビキニ専用ナプキン
・スポーツ専用ナプキン
・山登り専用ナプキン
・ヨガ専用ナプキン
色んな専用ナプキンを開発して販売しましたが、
ことごとく失敗しました。
ポジショニングという考え方自体に間違いはありませんでした。
とはいえ、
独自のポジションを築けば必ず成功するというわけではありません。
ビジネスには失敗がつきものですので、
うまくいかないポジショニングが続いたからといって
これを責める必要はありません。
ただ一つ、
別の観点で大きな過ちを犯していたのです。
3.何を売るかよりも誰に売るか
大手生理用品メーカーのナプキン大失敗、
その原因はなんでしょうか?
先に答えを言ってしまうと、
”誰に売るかを間違った”
からです。
大手生理用品メーカーは様々な●●専用ナプキンを開発しましたが、
それらはどのような人向けの商品だと思いますか?
もちろん、
ヨーロッパやアメリカ、日本といった
先進国に住む女性向けに販売されました。
ですが生理用品メーカーは気づいていなかったのです。
世界には先進国以外に多くの女性がいること、
途上国と言われる国に住む女性の生活環境が劇的に向上していることを。
世界はここ20年で大きく変わっています。
●低所得国の女性の60%は初等教育を終了している
●世界で最も多くの人が住んでいるのは中所得国である
●世界人口のうち、極度の貧困にある人の割合は過去20年で半分になった
●自然災害で亡くなる人の数は、過去100年で半分いかになった
●世界中の30歳男性は平均10年間の学校教育を受けており、同じ年の女性は9年の学校教育を受けている
他にも色んなデータが事実としてありますが、
大切なことは、これまで商品を売ってこなかった相手が優良な顧客候補になっている
という点です。
大手生理用品メーカーは先進国の3億人にナプキンを売っていましたが、
20億の途上国に住む女性にナプキンを十分にセールスできていなかったのです。
先進国のような豊かな市場ではすでにナプキンに対する基本的な欲求は満たされています。
そのような中でメーカーはますますニッチな分野での需要を掘り起こすための
無駄な戦いに追われていたのです。
そんなことをしなくとも、
生活環境が向上した途上国の女性20億人に
ナプキンを売ればよかったのです。
どんな商品を売るかというのも大切ですが、
それよりも”誰に売るか”が重要なんです。
今回の生理用品メーカーもそのことに気づいて現在は売り上げを伸ばしていますが、
10年前に”誰に売るか”に注目していれば、
今と違った姿になっていたことでしょう。
4.まとめ
ナプキンの販売方法で大失敗した
大手生理用品メーカーについて話をしました。
ビジネスにはポジショニングが重要ですが、
それ以上に誰に売るかが大切です。
”何を売るかより誰に売るか!”
この言葉を覚えておいてください。
あなたの商品やサービス、
わざわざ改良を重ねたりしなくても、
誰に売るかを変えるだけで大ヒットするかもしれませんよ!
お金を儲けて仕事にやりがいを!人生に生きがいを!
記:宮里竹識(みやざとたけし)