マーケティングとは、セールスを楽にするための行動全般をいいます。
今回は、摂取理論を使って弱い反論をすることでお客さんがあなたの商品・サービスを選ぶようにするための方法について話をします。
1．摂取理論とは
摂取理論とは、イェール大学教授の社会心理学者ウィリアム・J・マクガイア
によって考え出された理論です。
その内容は、商品やサービスに対して見込み客がすでに抱いている態度に
「弱い」反論を示し、それにより見込み客の態度を強める、というものです。
「弱い」反論に巧みに操られた見込み客は、自分の考えを守り、
それゆえ自分の態度をさらに強めることになります。
この摂取理論を使うには、次の３ステップに取り組む必要があります。
ステップ①：切迫した攻撃がくると見込み客に注意をうながす
ステップ②：弱い攻撃を見込み客にしかける
ステップ③：見込み客に強い守りをうながす
2．摂取理論の使用例
例えば、あなたが酒屋さんを営んでいたとしましょう。
摂取理論においては、
次のようなステップで見込み客にアプローチすることになります。
ステップ①：切迫した攻撃がくると見込み客に注意をうながす
消費税が5％から8％に増税されます。
今まで税込み1,050円で買えていたお酒が1,080円になります。
ステップ②：弱い攻撃を見込み客にしかける
でも、増税は国の借金を返したり社会保障を充実するためのもので、
仕方ありません。
それに増税による値上げも大したことはありません。
1,000円のお酒の場合でも値上げは30円と小さなものです。
ステップ③：見込み客に強い守りをうながす
この増税、あなたはどう思いますか？
今回の増税は大したことないと思う人もいるかもしれませんし、
家計に大きな影響を与える大変なことだと思う人もいるでしょう。
私たちの酒屋には保存のきくビールやワインなどが
数多くそろっています。
増税による値上げが始める前に買いだめしたいというお客様は、
お急ぎください！
こんな感じで、
あえて消費税増税は大したことないのではとアプローチすすることで、
「増税は嫌だ」という顧客の態度・考えを強めることができるのです。
この摂取理論を使えば、
単に消費税が上がるからその前に買ってくれと言うよりも
お客さん自身が”買うことが正しい選択だ”と認識してくれるようになります。
3．まとめ
あえて「弱い」反論を言うことで見込み客の心を誘導する摂取理論、
いかがでしたか？
ちなみに、摂取理論という名前の由来はワクチン摂取の原理からきています。
ワクチンは毒性の弱いウィルスを体に摂取することで
人体がウィルスに強くなるようにしています。
摂取理論も弱い反論を見込み客に伝えることで、
見込み客自身の考えを強めることができます。
また、この摂取理論のマーケティングへの利用ですが、
競合会社が言っているあなたへの批判を公表するというのも有効です。
私も競合会社に「あの会社は報酬が高すぎる」と批判されましたが、
その批判を私のホームページで公表しました。
その結果、
「高いにはそれなりの理由があるはずだ」
と見込み客が考えるようになり、
売上も大きくなりました。
この摂取理論、「弱い」反論で見込み客の反応を誘導する方法、
かなり使えますので、あなたの会社でも実践してみてください。
お金を儲けて仕事にやりがいを！人生に生きがいを！
記：宮里竹識（みやざとたけし）
