From:宮里竹識
梅ヶ丘のファミリーマート2階のカフェより、、
あなたは「レモンジーナ」を飲んだことがありますか?
私は今この記事を書きながら飲んでいます。
レモンジーナといえば「土の味がする」といって
話題になりましたよね。
そしてもう一つ話題になったのが、
発売後すぐに在庫がなくなったとして一時販売中止となったこと。
これが品薄商法としてネットで炎上騒ぎとなりました。
今回はレモンジーナの品薄商法がどういうものだったか、
この手法は成功したといえるかどうかについて話をします。
1.レモンジーナの販売戦略と消費者の反応について
レモンジーナは既に大ヒットしているオランジーナの姉妹商品として発表され、
発売前から各種メディアで取り上げられ、大きな注目をあびていました。
そして発売と同時に売れに売れ、あっという間に売り切れとなってしまった
店が続出したのです。
地方のスーパーなんかには沢山残っていたという情報もありましたが、
都心部のコンビニなんかでは本当に数日で在庫切れとなってしまったのです。
商品紹介をするユーチューバーやブロガーを見ていると、
レモンジーナを手に入れるためにコンビニを何軒も回ったという人が
複数いました。
結果、レモンジーナは発売からわずか2日で出荷中止の事態になりました。
このレモンジーナの出荷中止について販売元のサントリーは、
「年間販売計画の100万ケースが2日で超えてしまったため、
生産体制を整えて再出荷するまで一時出荷を中止する」
と発表しました。
「土の味がする」というのが話題となって売上を手助けしたというのは
あるでしょう。
しかし、わずか2日で出荷停止というのは通常では考えられません。
”大企業であるサントリーがこんなお粗末な販売計画を立てるわけがない”
”わざと生産量を少なくして品薄感をあおっている”
”こんな品薄商法はうんざりだ!消費者をなめるな!”
といった批判がネットを中心に繰り広げられました。
私個人もこのレモンジーナの一連の流れは
サントリーが狙って作り出したものだと思います。
意図的に少なく生産して売り切る。
人は手に入りにくいものほどほしがりますので、
出荷中止のニュースが流れると店頭に残っている在庫をめざして
人が殺到します。
そして、あっという間にすべてを売り切りました。
あとは再度生産体制を整え、
市場の欲求を見ながら商品を提供していけばいいのです。
ただ、企業がこのようなことを考えて商品を売っていると、
反発する人も現れます。
実際、サントリーとレモンジーナはそれなりのバッシングを受けました。
消費者の反感を買ってまで行う価値が、
品薄商法というマーケティング手法にはあったのでしょうか。
2.サントリーの品薄商法というマーケティングは成功か?
2-1.マーケティングの観点から見たサントリーの手法
まずはサントリーが行ったことを、
マーケティングの観点から整理していきましょう。
マーケティングを成功させて商品・サービスを売るには、
「マーケット・メディア・メッセージ」の三つの要素がそろっていることが
重要であるということを、別の記事で話しました。
<関連記事>
⇒マーケティングに不可欠な三角形の要素
今回はこの三つの要素のうちの”メッセージ”が問題視されています。
少し説明させてください。
メッセージは、言葉通り売り手が買い手に何かを伝えることをいいますが、
①「誰に」言うか
②「何を」言うか
③「どう」言うか
が重要になってきます。
レモンジーナの場合、
①の「誰に」とは老若男女幅広い人に向けて言っています。
②の「何を」とは、レモンジーナを買ってくださいと言っています。
③の「どう」とは、レモンジーナは残り少ないからなくなる前に買ってね、
と言っているのです。
2-2.つまらないメッセージは誰にも届かない
メッセージには強さや面白さといったものが必要です。
「限定」というメッセージは強いメッセージとなるので、
残り少ないからレモンジーナを買ってねというサントリーのメッセージは
強力で引きつけられるものとなりました。
これがもし「商品はたくさんあるのであせらず買ってください」
なんてメッセージを発していたら売れなかったでしょう。
当たり障りのないメッセージには誰も興味を持ちません。
一部の人を怒らせるくらいのメッセージが
良いメッセージなのです。
芸能人でも、島田紳助さんなどの人に強いメッセージを届けられる人は、
熱烈なファンが多い一方、アンチも多いです。
どうせすべての人に喜んでもらうことなんて不可能なのですから、
自分のお客さんにはしっかり伝わり、お客さん以外の人は怒らせるくらいで
良いのです。
レモンジーナの一件で怒りをあらわにしている人なんて
消費者全体から見ればほんの一部です。
”そんな奴らは客じゃない”
と言い切ってしまっても問題ないと思います。
そういう意味でいえば、
品薄商法で消費者の注意を引きつけてレモンジーナを大量に売りさばいた
サントリーのマーケティングは成功したと言って良いでしょう。
3.まとめ
ちょうど今レモンジーナを飲んでいるところなので、
思ったことを記事にしてみました。
レモンジーナを飲むのは二回目ですが、
一回目は土の味を感じたのですが
今回は普通に美味しかったです。
疲れているかどうかでも味の感じ方が違うらしいですね。
ちなみに、サントリーが行った品薄商法というのは、
効果はあると思いますが多様すべきではありません。
あまり何度も使っていると反感を覚える人が増え、
企業自体のイメージダウンにつながるからです。
というわけで、レモンジーナに続きヨーグリーナという商品にも
同じ品薄商法を使ったサントリーは、イメージダウンが避けられないかも
しれませんね。
お金を儲けて仕事にやりがいを!人生に生きがいを!
記:宮里竹識(みやざとたけし)