先日の記事ではシンプルな書体を使うのがベストだということを話しました。
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しかし、シンプルな書体よりも、凝った読みにくい書体の方がふさわしいケースがあります。
1.ミシガン大学の書体に関する研究
ミシガン大学のヒョンジン・ソンとノベルト・シュワルツは、
読みにくい書体で説明した方が、見るものに大変な思いをして
その商品を作ったのだという印象を与えることができるということを
発見しました。
二人の研究チームは、レストランのメニューに載っている料理について、
シンプルな書体で書かれた説明と、読みにくい書体で書かれた説明の
いずれかを被験者に見せました。
そして、このメニューに載っている料理にどれくらいシェフの技術が必要かを
想像させたところ、難解な書体で読んだ被験者は、シンプルな書体で読んだ
被験者よりも、非常に高い確率で高い技術を必要とすると回答したのです。
2.高級レストランのメニューでは凝った書体を使おう
先のミシガン大学の研究から分かるとおり、
高級レストランのメニューにおいては、
凝った書体を使うと効果的です。
凝った書体のメニューや難しい言葉を使った説明をすることで、
読む人の理解を遅くし、その料理には大きな手間と技術を必要とするんだと
お客さんに印象づけることができるのです。
この
”商品を良く見せるには、凝った書体と難しい言葉を使う”
ということは、様々なビジネスに応用できます。
あなたの商品やサービスには非常に手間がかかる、
あるいは高い技術を要すると顧客に感じさせたければ
凝った書体と難しい言葉を使って、
簡単に理解できないようにしてみましょう。
きっと、あなたの商品の価値を高く評価してくれるはずです。
しかしこの方法は諸刃の剣です。
なぜなら、凝った書体や難しい説明はお客さんの理解を遅らせるだけでなく、
お客さんが理解するのを止めてしまうリスクがあるからです。
凝った書体で専門用語たっぷりのパンフレットを見ても、
買いたいと思う前に読むのをやめてしまう可能性の方が高いのです。
そのため、高級品なら何でも凝った書体が効果的というわけではないのです。
レストランのメニューのように、
注文するために必ず読まなければならないような場合には効果的ですが、
高級車や不動産のパンフレットなんかには向いていないでしょう。
3.まとめ
通常はシンプルな書体ですっとお客さんに理解してもらうことが重要ですが、
高級感を感じさせたいような場合には、あえて凝った書体にすることも効果的
といえます。
ただし、すべての高級品に凝った書体が有効というわけではありません。
お客さんが読むのを止めてしまうリスクがあるからです。
そのため、レストランのメニューといった、
必ずお客さんが目を通すような場合に使うようにしてください。
高級レストランが使っているメニューの凝った書式や長い料理名、説明などは、
正にこの効果を狙ったものです。
あなたのビジネスでも応用できないか、考えてみてください。
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記:宮里竹識(みやざとたけし)