社長やセールスマンなら誰でもお客さんに
「商品を買ってくれ」
と言っていると思います。
そのようなとき、「商品を買ってくれ」という要求以外の頼みごとをしたくないというのが売り手のの心理です。
お客さんは売り込みをされただけで迷惑に感じているのに、さらにいくつもの頼みごとをされるなんて相手を不快にさせてしまう。
そう思っていませんか?
複数の頼み事をするのは賢明でないという一見筋の通った考えは、実は間違いだったのです。
1.複数の頼み事をしたらどうなるか?
複数の頼み事をしたらどうなるのかについて、
いくつかの実験結果を紹介したいと思います。
1-1.時間を聞いてから複雑な道順を尋ねる
通行人に複雑な道順を尋ねるという実験が行われたのですが、
当然ながらすべての人が協力的というわけではありませんでした。
そこで一部の被験者に対しては、
事前に今の時間を教えてもらうという小さなお願いをしてみたのです。
この小さなお願いには、
ほぼすべての通行人が時計をチェックして時間を教えてくれました。
興味深いのはここからです。
事前に時間を教えてもらうという小さなお願いに応じてくれた通行人の方が、
次のより面倒な道順を尋ねるというリクエストに応えてくれる確率が
はるかに高かったのです。
1-2.持ち家の家主に看板を立ててもらうようお願いする
持ち家の家主たちに「安全運転を心がけよう」という
約90センチ×180センチの看板を立てさせてくださいと頼む実験が行われました。
看板の立て付け作業は当然こちらで行うのですが、
このリクエストに応じてくれたのはわずか17%でした。
ところが、同様のリクエストであっても
その2週間前に「私はセーフドライバーです」という小さなサインを
窓に貼ってほしいと頼んだ場合は、なんと76%もの家主が
看板のリクエストにも応じてくれたのです。
1-3.クローゼット調査のお願い
クローゼットの中にどのようなものがあるのかを調査するために
研究員数名が家に入り込み2時間も捜索したいという、
大胆なリクエストが試されました。
そのリクエストの結果、22%の世帯がクローゼット調査に応じてくれました。
次に研究者は別の世帯に電話し、
同じようなアンケート質問をしたところ、
多くの世帯が協力してくれました。
その3日後、同じ世帯に電話して例の2時間かかるクローゼットの訪問調査を
させてくれと尋ねたところ、なんと56%の世帯が応じてくれたのです。
2.事前に小さなお願いをする
これら3つの実験から学べることがあります。
それは、頼み事をする相手に別の小さなお願いをすることは
相手を不快にさせることではないということです。
それどころか、
最初のお願いが簡単にきいてもらえるような簡単なものであれば、
メインのお願いに応じてくれる可能性も大きくアップするのです。
となれば、社長のあなたがやるべきことは明白ですよね。
お客さんに簡単な、小さなお願いをするのです。
それからあなたの商品を「買って下さい」とお願いしましょう。
私も本業では小さなお願いを最初にしています。
具体的には、
●無料レポートを請求してください
●無料判定を依頼してください
ということをお願いしているのです。
その後、小さなお願いを聞いてくれた人に対して
「私たちのサービスを依頼してください」
と頼んでいます。
いきなり「買って下さい」と言っていた時に比べて、
はるかに成約率が高くなりました。
ぜひあなたも試してみて下さい。
お金を儲けて仕事にやりがいを!人生に生きがいを!
記:宮里竹識(みやざとたけし)