慈善事業や研究、社会貢献事業などに寄付金を求められたことはありませんか?
ユニセフ、赤い羽根募金、Wikipediaなど、様々な団体や企業などで寄付を求めています。
子どもや赤ちゃんなどがもの悲しげに目で訴えてくる広告を、あなたも見たことがあるかもしれませんね。
助けられる側の写真やストーリーを使うのは寄付を求めるときの常套手段ですが、鏡を使って寄付者自身の姿を見せてあげるということも効果的です。
1.ハロウィーンで行われた実験
1970年代に行われた実験を紹介します。
日本ではあまり浸透していませんが、
ハロウィーンでは子どもたちが近所を周り、
「Trick or Treat」
と言って家主からお菓子をもらいます。
この実験においては、
家主は子どもたちと会うことはせず、
「お菓子は一人一個だけ」
と書いたメッセージとキャンディが沢山入った大皿を
玄関に置いておきました。
その結果、約34%の子どもがお菓子を二個以上取っていたことが分かりました。
しかし、
子どもたちに自分の姿が見えるようにキャンディの入った大皿の後ろに
鏡を置いたところ、お菓子を二個以上取ったのは9%にまで減ったのです。
2.己の振り見てわが振り直す
こんな実験も行われました。
まず被験者を二つのグループに分け、
一つのグループには自分自身のライブ映像を見せ、
もう一つのグループには幾何学模様の映像を見せました。
その後ちょっとした課題を与え、
被験者が自分の使ったペーパータオルをもって部屋から
出てもらいました。
そのペーパータオルがどうなったかですが、
幾何学模様を見たグループの半数は人気のないところでペーパータオルを
捨てましたが、自分のライブ映像を見たグループは4分の1しか
ペーパータオルを捨てませんでした。
自分自身の姿を見た人は、
使用済みのペーパータオルというゴミを捨てるという行為をする人が
少なくなったということです。
3.鏡をどのように使うか
では寄付を求めるときに鏡をどう使うかという話に入ります。
寄付金を募るような団体が行っている慈善事業は、
社会貢献のためにお金を寄付してくれる人を求めています。
寄付の成功率を上げるためには、
寄付をしてくれそうな人たちに自分の姿を見せることが効果的です。
たとえば、待合室や会議室に鏡を配置し、
寄付者が自分の顔を見れるようにしておくのです。
鏡に写った自分を見ることで、人は自らの行動について考えるようになり、
社会的に望ましい行動が促されます。
その結果、
寄付の成約率を高めたり寄付金の平均額を上げる効果が期待できます。
ダイレクトメールで寄付を募る場合も、顔が写る反射素材を使い、
「自分のできる良い行いを想像してみて下さい」
なんていうメッセージを添えておくのも良いかもしれません。
4.まとめ
人は自分の姿を見ることで社会的に望ましい行動を取るようになります。
そのため、寄付金を求めるような場合には
鏡を使って自分の姿を見せることで寄付の成約率を高めることができます。
この鏡を使う方法は、他にも応用が利きます。
たとえば、万引きに悩んでいる小売店では鏡の前に商品を配置することで
万引きを抑制することができます。
「マジックミラーテスト中」
なんて張り紙があればもっと効果的かもしれません。
人の良心に訴えるこの方法、
あなたのビジネスで使えるかどうかを考えてみてください。
お金を儲けて仕事にやりがいを!人生に生きがいを!
記:宮里竹識(みやざとたけし)