From:宮里竹識
笹塚のEXCELSIOR CAFFEより、、
先日、テレビで黒板アートを特集した番組を見ました。
美大生が卒業式前夜の高校の教室に入り、
黒板に卒業生へのメッセージを描き込むというものです。
美大生が作成するものですから、そのクオリティーの高さは折り紙付きです。
卒業式の朝に登校した学生は黒板に描かれたメッセージを見て
驚き、感動していました。
学生は大騒ぎで黒板を写メにとり、SNSに投稿しています。
このテレビ番組を見て私が感じた黒板の未来について
話をしていきたいと思います。
1.黒板は今後も生き残っていけるのか?
テレビ番組では美大生が苦労して黒板アートを作成している姿や
卒業生が感動しているシーンが中心になって放送されていました。
しかし私は職業柄マーケティングや集客を専門にしています。
ちょっと違った視点でテレビを見ていました。
それは、
「黒板」という商品は今後も生き残っていけるのか、
ということです。
結論から言うと、
後30年で黒板は教室から姿を消すというのが私の考えです。
その理由は単純で、
黒板の文字は読みづらいからです。
黒の背景に白文字というのは、認識しづらいのです。
一方、白の背景の黒文字は読みやすいです。
これを裏付ける実験がいくつも行われていますが、
その中でも有名なものを2つ紹介しましょう。
【実験①:ホームズと重大な66インチ】
1931年にG・ホームズという研究者が
『Journal of Applied Psychology(応用心理学ジャーナル)』誌
に掲載した記事で、次のような実験を行ったと発表しました。
ホームズは、白地に黒い文字で印刷したものと、
黒地に白い文字で印刷したものを用意しました。
フォントとサイズは同じです。
その後、被験者が読めないくらい遠く離れた場所に両方の文字を並べ、
「文字が読める位置まで進んでください」
と被験者に言いました。
その結果、白地に黒文字の印刷物は66インチ(約168センチ)離れた場所から
読むことができました。
一方、黒地に白文字の印刷物は55インチ(約140センチ)まで近寄らなければ
読むことができませんでした。
このことから導き出される結論は、
白地に黒文字の方が読みやすい
ということです。
【実験②:ダニエル・スターチと目玉の動きの遅れ】
広告研究者のダニエル・スターチも興味深い実験を行いました。
まず彼は白地に黒文字のメッセージを被験者に読んでもらったところ、
1秒あたり平均6語ほど読むことができました。
今度は黒地に白文字に反転したメッセージを被験者に読んでもらったところ、
1秒あたり平均4語という結果になりました。
つまり、白地に黒文字の方が多くの文字を読めるということです。
この2つの実験により、
白地に黒文字は早く読め、
黒地に白文字は読むスピードが遅くなるこということがはっきりしました。
このことから、
黒板の未来は決して明るいとは言えず、
ホワイトボードに取って代わられると私は考えています。
実際、新しい学校では黒板よりも
ホワイトボードが採用されるケースが増えています。
いづれ、学校の教室には黒板があるとイメージする人と
ホワイトボードがあるとイメージする人で
ジェネレーションギャップが生まれるかもしれませんね。
2.黒板のようなホームページで損をしている会社
メッセージを届けるときには、
白地に黒文字が読みやすいというのは理解してもらえたと思います。
では、企業のホームページを見てみましょう。
さすがに黒地に白文字という致命的なミスをしている会社は少ないですが、
メッセージが読みづらくなっているホームページは
星の数ほどあります。
その代表的なものが写真の上に文字を乗せているというものです。
それと同じくらい悪い例が、背景がグラデーションになっているものです。
どちらも読みにくいことこの上ありません。
新聞や雑誌、本が白地に黒文字なのは、
それが一番読みやすいからです。
もしあなたの競合会社が黒板のようなホームページなら、
ラッキーですね。
競合のメッセージは見込み客には届いていません。
逆にあなたの会社のホームページが黒板のようになっていたら、
すぐにでもホワイトボードのようなページに直しましょう。
3.まとめ
黒板の文字は読みにくいため、
将来的にはホワイトボードに変わっていくのではないかという話をしました。
同時に、会社のホームページが黒板のようになっていると
メッセージが見込み客に届きにくいという話もしています。
あなたの会社のホームページは
黒板型ですか?
ホワイトボード型ですか?
見込み客は”読みにくい”と感じたら去っていきます。
誰にも読まれずに絶滅してしまわないよう、
ホワイトボードを意識したホームページを作るようにしましょう。
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記:宮里竹識(みやざとたけし)