【要約】AI vs. 教科書が読めない子どもたち

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この記事では、
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
を要約していきます。

また、この記事は社長向けに経営者の視点から書いていますが、
自分の仕事がAIに奪われるかもしれないという
危機意識をもっているサラリーマンにもお勧めです。

この記事を読み終わる頃には、
人間がAIに勝つために何をすべきか、
きっと理解していることでしょう。

 


1.『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の超要約

まずは本の基本情報から

書名:AI vs. 教科書が読めない子どもたち
著者:新井紀子
出版社:東洋経済新報社
発売日:2018年2月2日

続いてこの本の超要約です。

次の3点だけ覚えてくれれば十分です。

①AIを過剰に恐れる必要はないが、
 それでも現在の仕事の約半分はAIに取って代わられる

②現代人は”読解力”が低下しているから、
 このままではAIに対抗できない

③AIには難しいサービスを提供して生き残れ!

ものすごくシンプルに要約すると
こんな感じになるのです。

さすがにこれでは省略しすぎて
あなたの知識や知恵につながらないので、
もう少し説明していきます。

ちなみに本の目次も載せておきますので、
これを一読してから記事を読み進めると
より理解が深まります。

 

【目次】
はじめに

第1章 MARCHに合格――AIはライバル
AIとシンギュラリティ
偏差値57.1
AI進化の歴史
YOLOの衝撃――画像認識の最先端
ワトソンの活躍
東ロボくんの戦略
AIが仕事を奪う

第2章 桜散る――シンギュラリティはSF
読解力と常識の壁――詰め込み教育の失敗
意味が理解しないAI
Siri(シリ)は賢者か?
奇妙なピアノ曲
機械翻訳
シンギュラリティは到来しない

第3章 教科書が読めない――全国読解力調査
人間は「AIにできない仕事」ができるか?
数学ができないのか、問題文を理解していないのか?――大学生数学基本調査
全国2万5000人の基礎的読解力を調査
3人に1人が、簡単な文章が読めない
偏差値と読解力

第4章 最悪のシナリオ
AIに分断されるホワイトカラー
企業が消えていく
そして、AI世界恐慌がやってくる

おわりに

 

2.AIは人類を滅ぼしません!


宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士は、
このようなことを言って世界中に波紋を起こしました。

AIがこのペースで自分自身を開発し続けていけば、
生物的進化の遅い人間は、
競争する前に追い越されるだろう

要は、
このままAIが進化したら人類はAIに駆逐されるだろう、
と警鐘を鳴らされたのです。

世界的な物理学者にこんなことを言われたらショックですよね。

AIが進化を続けていることは今更説明するまでもありませんが、
このままAIが進化を続けたらどうなると思いますか?

AIが人間の知性を超えた地点を
シンギュラリティ(技術的特異点)と言います。

シンギュラリティが訪れると
AIは自分で自分よりも高度なAIを作れるようになりますので、
もはや人間では太刀打ちできなくなります。

そしてAIが
”世の中に人間は不要”
と判断したら・・・。

AIが人間を駆逐しようと暴走するかもしれない、
こんな話は映画やSF小説ではよく聞きますよね。

このようにAIに対しての不安や恐怖というのは
決して小さくはありません。

しかし『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の
著者である国立情報学研究所の新井紀子教授はこう言います。

AIが人類を滅ぼす?ー滅ぼしません
シンギュラリティが到来する?−到来しません
AIが神になる?−なりません

清々しいほどの一刀両断です。

しかも、
新井教授は2011年より人工知能プロジェクトの
「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトを行い、
東ロボくんというAIまで作っている人です。

そんな人がAIが人類を滅ぼすことはないと断言しているのです。

説得力があるじゃないですか。

なぜAIが人類を滅ぼすことはないと言い切れるか、
それはAIができることとできないことには
明確な差があるからです。

AIの限界について話をする前に、
東ロボくんがどれだけできる子かお話ししましょう。

ロボットが東大に合格できるかということで開発された
AIの東ロボくん。

2011年にプロジェクトがはじまって8年以上経ちますが、
まだ東大には合格できるレベルにありません。

とはいえ、
プロジェクトが開始してから数年の間に
かなりの進歩を遂げています。

なんと東ロボくんは、
2016年のセンター模試では
5教科8科目950点満点で525点を獲得し、
偏差値は57.1にまで到達しています。

日本には私立大学が584校ありますが、
そのうち512大学1343学部で
合格判定80%となりました。

その中にはMARCHや関関同立といった
難関大学の学科も含まれていました。

このまま東ロボくんが進化を続ければいづれは東大にも合格できる、
そう思う人も多くいましたが、
新井教授は”東ロボくんは東大には合格できない”と判断しています。

MARCHは合格できても東大は無理と判断する最大の理由は
”読解力”です。

AIはまるで万能であるかのように思われることがありますが、
結局は機械でありシステムでしかありません。

計算や統計、論理といったことにはめっぽう強いのですが、
それ以外のことはからきしです。

本当の意味で”理解する”ということができませんので、
東大の問題文を理解することができず、
当然正しい回答を出すこともできないのです。

もし人間の感情なども含めて
AIが”理解できる”ようになれば東大合格も可能ですが、
そのそも人間の感情といったことはいまだ理論で解明できていません。

感情を含めてすべての自然現象を論理で説明し、
計算できない以上は、
問題文を理解できないままであり東大の試験にも合格できないまま
ということです。

とうわけで、
AIはしょせん機械なので
計算・統計・論理しかできないのです。

理解や自己判断ができないのですから、
「地球に人間は不要だから排除しよう」
なんて思考に至ることはないのです。

これでAIを過度に恐れる必要がないことが分かりました。

これでめでたしめでたしかと思いきや、
そうはいかないことが分かってきました。

 

3.AIが仕事を奪う


先ほどAIは人間を滅ぼさない、
過度にAIを恐れる必要はないという話をしました。

しかし、
AIは計算・統計・論理が得意という話もしました。

これらのことが自動化できるとなると、
けっこう色んな仕事がAIでできちゃうんです。

オックスフォード大学の研究チームが
AI化によって「10年から20年後に残る仕事、なくなる仕事」
というのを公表しました。

これによると、
10〜20年後には次の仕事がなくなります。

①電話販売員(テレマーケター)
②不動産登記の審査・調査
③手縫いの仕立屋
④コンピューターを使ったデータの収集・加工・分析
⑤保険業者
⑥時計修理工
⑦貨物取扱人
⑧税務申告代行者
⑨フィルム写真の現像技術者
⑩銀行の新規口座開設担当者
⑪図書館司書の補助員
⑫データ入力作業員
⑬時計の組立・調整工
⑭保険金請求・保険契約代行者
⑮証券会社の一般事務員
⑯受注係
⑰(住宅・教育・自動車ローンなどの)融資担当者
⑱自動車保険鑑定人
⑲スポーツの審判員
⑳銀行の窓口係
㉑金属・木材・ゴムのエッチング・彫刻業者
㉒包装機・充填機のオペレーター
㉓調達係(購入アシスタント)
㉔荷物の発送・受取係
㉕金属・プラスチック加工用フライス盤・平削り版のオペレーター

また、野村総研が発表した
「人工知能やロボット等による代替可能性が高い労働人口」
によると、日本では49%の仕事がAIに取って代わられるということが
分かっています。

機械が得意とする計算・統計・論理の分野を伸ばしていけば、
これだけの仕事がAIで行えるようになります。

人間に仕事をさせると給料はかかるも不平不満を言ってくるし、
過労で従業員が倒れたら会社の責任問題になるし、
従業員が問題行動を起こして会社にダメージを与えることもあります。

それなら24時間365日働き、
文句も言わずに給与も必要ないAIに仕事を任せた方が良い、
経営者ならみんなそう判断します。

なので、
これから10〜20年の間に
かなりの人が職を失うことでしょう。

今のままではヤバい。

でも、人間はなんだかんだで賢いからこの危機も乗り越えるはずだ、
そう思ったりはしませんか?

たしかにAIが現在の仕事を奪ったとしても、
人間は新しい仕事を生み出す可能性は高いです。

人間は賢いのです。

AIにはできないことがたくさんあるのだから、
人間にしかできないことで新たな付加価値を生み出して
人類はさらに繁栄していくはずだ。

そのように希望を持つことは良いことです。

ですが、
これから先の未来を生きていくのは
私たちの子どもの世代です。

そして、
その子どもたちに恐るべきことが起こっていることを
多くの人は知りませんでした。

 

4.教科書が読めない子どもたち


AIは計算・統計・論理といった分野は得意ですが、
本当の意味で”理解”することができないという話を
先ほどしました。

AIにはできないけれど、
人間には物事を理解する力があります。

これでうまく人間とAIは共存していけると思いきや、
驚愕の事実が分かったのです。

その驚愕の事実とは、
子どもたちに読解力がないということです。

どれだけ危機的な状況にあるかを理解するため、
まずはこの問題を解いてみて下さい。

 

【問い】
次の分を読みなさい。

アレックスは男性にも女性にも使われる名前で、
女性の名アレキサンドラの愛称であるが、
男性の名アレキサンダーの愛称でもある。

この文脈において、
以下の文中の空欄にあてはまる最も適切なものを
選択肢のうちから一つ選びなさい。

アレキサンドラの愛称は(    )である。

①アレックス
②アレキサンダー
③男性
④女性

 

もちろん正解は①のアレックスです。

簡単ですよね。

でも、
全国の中学生・高校生にとっては違ったようです。

こちらが先ほどの問題における
中高生の回答割合です。

 

中学生(235名)の正解率:38%
高校生(432名)の正解率:65%

 

この問題は知識を問うものではなく、
問題文を理解してさえいれば答えられるものです。

にもかかわらず、
中学生の正解率は38%しかありませんでした。

もちろんこの問題一つで子どもの読解力が低いと
言い切ることはできません。

ですのでかなり大掛かりな読解力調査を行いました。

その調査の詳細については省略しますが、
結果として明らかに子どもたちの読解力が低いということが
改めてはっきりしたのです。

AIは”理解する”ことができないので、
人間はAIと違う分野で活躍することができると考えていましたが、
読解力が乏しいのであれば話は変わってきます。

AIにできない分野は人間も弱いとなってくると、
ますます人間が活躍できるところがなくなってきます。

この問題の恐ろしいところは、
●なぜ子どもたちの読解力が下がっているのか分からない
●どうすれば読解力を高めることができるのか分からない

という点です。

読書週間で読解力に差が出るか調べてみましたら、
読書による差は見られませんでした。

学習習慣や得意科目、スマートフォンの使用、
性別による差があるかも調査しましたが、
やはりダメでした。

何が読解力を決定するか、
分からなかったのです。

どうように、
どうすれば読解力が上がるかも分かりませんでした。

絶望的な気持ちになりますね。

AIにできない仕事ができる人間がいなくなるかもしれないのです。

著者の新井教授はこう未来を予想しています。

企業は人手不足で頭を抱えているのに、
社会には失業者が溢れているー
せっかく新しい産業が興っても、
その担い手となる、AIにはできない仕事ができる人材が不足するため、
新しい産業は経済成長のエンジンとはならない。
一方、AIで仕事を失った人は、
誰にでもできる怠賃金の仕事に再就職するか、
失業するかの二者択一を迫られるー
私には、そんな社会の姿がありありと目に浮かびます。

こんな絶望的な未来が待っているのです。

 

5.ではどうすれば良いか?


AIが人々の仕事を奪うことで絶望的な未来が待っている、
という話をしました。

これを回避するためには、
「奪われた職以上の職を、生み出す」以外にないと、
著者は語っています。

どうすれば奪われた職以上の職を生み出せるかについては、
このように述べています。

「AIが得意な暗記や計算に逃げずに、意味を考えることです。
生活の中で、不便に感じていることや困っていることを探すのです」
「人間にしかできないことを考え、実行に移していくことだ」

新しい職の具体例として、
汚部屋整理コンサルタントや、
高学歴高収入女性専門の婚活支援、
ルームシェア専門のアパート経営
といったことを挙げていました。

AIが得意な分野はAIに任せ、
人間にしかできないことを考え続けて下さい。

そうすればAIに仕事を奪われたとしても
あなたは生き残って行けるはずです!

以上が、
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
の要約です。

 

6.「具体策ないんかい!?」って思ったあなたへ


いかがでしたか?

この
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』、
すごく中身の詰まった本です。

メチャクチャ考えさせられました。

でも、
もしかしたらあなたはこんな風に思ったかもしれません。

「結局AIに仕事を奪われたときの具体的な対策はないんかい!?」

たしかに、
人間にしかできないことを考え実行に移していくことだ、
なんて言われても抽象的で困りますよね。

本に表紙には
「人間が勝つために必要なこと」
という文言がありました。

その必要なことをもっと掘り下げて、
もっと具体的な方法がほしい、
そう思った人は多いでしょう。

「今の私のビジネスはどう変えていけば良いんだ?」
「これから起業するのだけど、何をどう売れば良いんだ?」

真剣にAIと自分の未来を考えている人ほど
具体的な対策を提示してほしかったと感じたことでしょう。

私もそうでした。

でも、違うんです。

自分がこれから何をすればよいかの具体策なんて、
本に書かれていなくて良かったのです。

もし具体策が書かれていたらどうなっていたと思います?

●このビジネスが確実に儲かる
●儲かるビジネスをはじめるために必要なスキル・コスト
●集客方法

こんなことが具体的に書かれていたとしましょう。

しかも比較的簡単に行動できる内容だとしましょう。

きっとあなたは行動してみることでしょう。

でも、
誰でもできる具体的なビジネスの方法が紹介されていたら、
他の人もあなたと同じ行動を取りますよね。

すると、
どれだけ儲かるビジネスであっても
利益を奪い合うことになりますので、
勝者の一人勝ちとなります。

残りは敗者として去っていくか、
生きていくのがやっとという感じで
細々と続けていく程度でしょう。

なので、
あまり具体的な策を本で書かれていなくて良かったのです。

 

7.儲かるビジネスの3条件という視点を同時に考える


この本の主張するように、
AIにはできない新しい仕事をたくさん作り出すということが、
これからの世の中では重要となります。

でも、
単純に新しい仕事を作り出しただけでは
失敗に終わる可能性が高いです。

事業を継続していくためには、
利益を出し続けることが必要だからです。

そのため、
AIの苦手な分野で職を作るというだけでなく、
その職が儲かるビジネスであることが必要です。

そこで、
AIに代替されない仕事を考えるときには、
次の”儲かるビジネスの3条件”を満たしているかも考えてみてください。

【儲かるビジネスの3条件】
条件①:お客さんは情熱をもっているか?
条件②:お客さんはお金を支払ってくれるか?
条件③:お客さんはくり返し買ってくれるか?

この儲かるビジネスの3条件の詳細については、
今回の記事から離れてしまうので省略します。

詳細を知りたいということであれば、
私の著書『社長の知恵袋 小さな会社の集客設計図』で
詳細を書いています。

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8.まとめ

この記事では、
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
という本について要約しました。

・AIは人類を滅ぼしたりしないので、過度に恐れる必要はない
・とはいえ、AIは今の仕事の半分を奪ってしまう可能性がある
・今の子どもは読解力が低下しているので、新しい仕事に対応できない
・AIができないことを考え、新しい仕事を生み出し続けることが重要

こんな感じの内容の本でした。

また、私の見解として、
AIができないことという視点に加えて
儲かるビジネスの3条件というのも一緒に考えることで
これからの社会で勝てるビジネスを作れると伝えました。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』は
かなり内容の濃い良書ですので、
未来の自分の価値を高めたい人や起業家には
ぜひ読んでほしいです。



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記:宮里竹識(みやざとたけし)



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記:宮里竹識(みやざとたけし)





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